福田健二(東大環境学専攻) fukuda@k.u-tokyo.ac.jp
2000年12月22日落合様、水沢様、皆様
しつこいですが、遺伝子組換えに関する本をもう1つだけ御紹介して終りにします。落合さんの御紹介下さった「Improving Nature?」の邦訳です!
マイケル・ライス・ロジャーストローハン著、白楽ロックビル訳「生物改造時代がくる」共立出版1999です。私は、この本は去年発売時に買ってはじめの2章(前置きにあたる部分でちょっと退屈)だけ読んでいたのですが、そのまま忘れていて、まさかこれがそうだとは気がつきませんでした。
今回読んでみたらとても良い本で、内容は落合さんが御紹介された通りです。翻訳はちょっと口語っぽいのが好き嫌いあるでしょうが、よくこなれていて読みやすく、喩えなども日本の実情に合わせて変えるなど工夫されています。各章ごとに問題を整理し、いろいろな立場からの意見を並べて検討していきます。各章の最後に「ライスとストローハンの結論(参考意見)」というのがついているのですが、私はそれらは「参考」でしかないことが強調されてはいますが、イギリス人である著者の偏った考え方が現れている部分が散見されるので、むしろない方が良かったと思います。しかし、それ以外の部分は問題点の整理のしかたが明快で、大変すばらしかったです。
このフォーラムで問題となった学校教育における遺伝子組換えの教え方についても少しですが触れられており、「生物学と社会学の総合教育が必要」ということが述べられています。この点については私は賛成です。是非一読をお勧めします。
この文章は「高等教育フォーラム」に投稿されたものです。